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2009年08月17日

わが住む町を散策する

 日本の医療保険制度よ永遠に

 土曜日の昼下がり、わが住む町をブラリ散策したのであるが、いろいろな人間がいろいろな格好で歩く姿を見て久しぶりに目の保養になった。
 日本には日曜日に「歩行者天国」なるものがあるが、こちらでは土曜日が主体のようである。
 道のど真ん中でステージを作り歌を絶唱するもの、透け透け服装で颯爽と歩くご婦人などなど、こういうときは家に閉じこもっているのは大変損である。

 さて、ここはアメリカ合衆国、イリノイ州の片田舎である。

 最近、アメリカ大統領のオバマさんの人気ががた落ちしている。
 就任当時は支持率が70%以上もあったが、最近では50%を割り込んでいる。原因は一つだけ、オバマさんが提唱する「アメリカ医療保険改革」に対する賛否両論でテンヤワンヤの大騒ぎを起こしているのである。
 先日などは、ある州での説明会で賛成派と反対派が対立し、取っ組み合いの喧嘩まで発展した。恐ろしいほどである。
 医療保険制度は誰にとっても最も身近な制度だけに、みんなが真剣になるのは当然と言えば当然ですが。
 
わが住む町を散策する


 このように、土曜日は道の真ん中にステージを作り、歌を絶唱するが月曜日になると、「医療保険制度はこうあるべき」と机を叩き、絶唱ならぬ罵声をあげるかも知れない。
 もともと、アメリカ国民の80%以上が現在の医療保険に加入しており、貧困層の20%足らずが医療保険に加入していないようである。
 オバマさんは、この20%足らずの国民を救済し、「全国民皆保険」を目指しているが、先立つ予算の膨大化に歯止めがかからないようだ。
 国債を乱発し、かつ、富裕層から税金を搾り取り、現在の65歳以上の保険制度、「メディケア」の予算を縮小しようとしているのだから、反対に遭うのは当り前かも知れませんが。
 新聞、テレビ等の報道によると、アメリカの「医療保険制度」は先進国では一番高く制度そのものは最悪であるそうだ。
 単純比較しても、国民当りの医療費はアメリカは日本の三倍以上もあり、また、全ての疾病に適用するとは限らないとの事。 日本の「国民皆保険、どんな病気にも対応いたします」とは雲泥の差があるようです。
 
わが住む町を散策する


 このように、「土曜日歩行者天国」で闊歩しているが、「自分の医療費は自分が払います、政府は口出すな」と、言っているような、言っていないような。
 ぼくがアメリカに住んでいて、いまだに違和感を感じているのは、何でもかんでも「市場原理主義」を当てはめようとしている事だ。
 アメリカ人は、政府介入を嫌っており、「自分の事は自分で」のフロンティア精神がいまだに健在、まあ、良いほうの解釈をすれは頼もしい限りではあるが。
 ところが、この「市場原理主義」が暴走し、現在の世界大恐慌を引き起こしたのは、紛れもなくアメリカなのである。
 
わが住む町を散策する


 このご婦人のように、「市場原理主義」には関係なく、「このミカン安いわ、二袋買いましょう」。
 まてよ、アメリカで果物が安いのは、外国製品を関税をつけないで輸入し、売っているからではないか。そうしないと市場が納得しないのではないか。
 「このミカン安いわ」と言っているのはアメリカで「市場原理主義」が浸透して、その恩恵を授受しているからではないですか。
 
 この後、アメリカの「医療保険改革」がどのように進展するのか、見ものではあるが、アメリカの報道機関がいつも褒めているのは、優れた日本の「医療保険制度」である。
 詳しい事の説明は専門家に任せるとして、日本の「国民健康保険」、「介護保険」、「後期老齢保険」などなど、アメリカ国民が羨むような、いたれりつくせりの医療制度で日本国民をしっかりと包み込んでいるのは世界でもあまり例がないようだ。
 なおかつ、日本国民が支払う医療費は、アメリカ国民の三割弱。羨ましくないと言えば嘘になる。
 
わが住む町を散策する


 しかし、アメリカ国民は遊ぶのが大好きと見える。
 変な意味の遊びではなく、健康的な遊びのことである。
 この健康的な高校生を見てごらんなさい。病気なんて、いっぺんに吹き飛んでしまいますぜ。
 もっと、もっと軽い服装で、もっと、もっとテンポを早く行進しなさい。こうなったら、もう、僕は「医療保険」はいらないから。

 最後に、最近の話題をひとつ。
 先日、シカゴでのはなし。
 ある友人が「こそ泥」を働いて、裁判になつたそうである。
 「クビチリドシグワー」であるから、その裁判を傍聴しに裁判所に行きました。
 いざ、判決を言い渡している最中に、この人、耐えられなくなって大きく口を開け、大声で「あくび」をしたそうである。
 頭にきたこの判事、即決でこの「あくび」野郎に懲役6ヶ月の実刑を言い渡したそうである。罪名は「Disrespectful Interruption In Court」日本語にどう訳すればよいのでしょうか。
 日本語の罪名に「公務執行妨害」というのがあるが、これは主に警察関係に対する罪名だと解釈している。しからば、判事をバカにしたら、上記の英語罪名になるが、それに対する適当な日本語をご存知のかたはご指導下さい。
 最後の、この判事のコメントが面白い。
 「裁判所に傍聴にくる際は、睡眠を十分とってからくるように」。

    Mountain Castle Co. 山城 定雄。




Posted by 定雄 at 00:56│Comments(4)
この記事へのコメント
はじめまして、こんにちは。
イリノイ州からのレポート、楽しく興味深く読ませてもらっている、在米ウチナーンチュです。
アメリカに来たころ、一番実感したのが、日本の国民医療保険などの有り難さでした。
これからどうなるか注目されますね。定雄さんのシマンチュの目を通してのレポート、引き続き楽しみにしています。
Posted by goya at 2009年08月17日 01:05
Goya殿、
当方のつたない文章を快く読んでくださり有難うございます。
おっしゃるように、日本の医療保険制度より優るものはありません。
当方は仕事の都合でイリノイ州に住んでおりますが、医療保険は日本の「国民健康保険」を適用いております。
こちらの病院で全額はらい、医者のサイン付きで沖縄の市役所に書類を送れば、普通の病院同様、七割の還付が受けられます。しかし、あまり病気はしませんので、それを適用する機会はありませが。
ウチナーンチュのよしみとして今後共よろしくお願い致します。
イリノイ州、アバナにて。山城定雄。
Posted by 山城定雄より、 at 2009年08月17日 20:51
Disrespectful Interruption In Court 和訳 って、Googleしたら、このページ
が最初に出てきました(笑)。
多分日本人はこんなこと滅多にしないから、該当する日本語はないかもね。

連日猛暑の沖縄からすると、U-Cのカラっとした夏がうらやましいです。
Posted by a-ri at 2009年08月21日 18:57
a-ri殿、
他人の知らない言葉を知っている事は大変自慢になります。毎日新しい言葉を頭脳にインプットして、ボケ防止に役立てたら、これも又楽し。
ほんと、U-Cは冷夏で夜などは49度F(約10度C)まで下がります。おかげで、クーラーは回らず電気代の節約に繋がり大助かりです。
今の見通しでは、冷夏のまま秋を迎えるとの事。
今日もダウンタウンでなにかあるそうですので、目の保養に行ってきます。
トゥルバイより。
Posted by a-ri殿、 at 2009年08月22日 22:47
 
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