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2013年07月17日

人種差別に悩む国ーアメリカ

 人種差別はアメリカの永遠のテ-マである

 久しぶりに町に繰り出し、七月四日の「アメリカ独立記念日」のパレードを見てきた。
 ビールを片手に面白いパレ―ド内容をスナップに収めたので、紹介するつもりで諸準備を進めていたら、アメリカ国内を震撼させる二ュースが飛び込んできて、これはと思い、急に方向転換、アメリカの醜い社会を紹介したい。

 さて、ここはアメリカ、イリノイ州の片田舎である。

 アメリカは1776年7月4日に独立し、その後250年近く、毎年独立記念日を祝っている。
 今年も例外なく、盛大なパレードで盛り上げた。

 人種差別に悩む国ーアメリカ

 独立記念パレードには関係なさそうな御仁もいらしゃるが、まー祝い事だから大目に見てやりましょう。
 面白い事に、我が町の人口の約15パーセントは黒人なのだが、パレードに参加するのはほとんどゼロ。
 黒人は歴史的に、無視された関係なのか、このような祝い事には無関心なようだ。ここに一つの差別がある。

 今アメリカの社会を震撼させている人種差別問題も、何か祝い事、集会に白人と黒人が別々に行動しているのに起因していると思われる。
 日曜日の教会の集会しかり。
 白人は白人の教会に参列し、黒人は黒人の教会に参列する。
 要するに、表向きは「法の下の平等」ではあるが、裏ではきちんと別々の行動をとっているのである。

 今度の人種差別問題は、ある殺人が事の発端であった。
 フロリダ州のある町で、黒人の17歳の少年が白人の拳銃で射殺されてしまった。
 この白人の男性は、自警団の一員として、夜間に町をパトロールしていたらしい。
 そこに現れた17歳の黒人少年。
 二人で、いろいろ口論をやったらしいが、その後黒人少年が自警団員に襲いかかり、歩道に頭を打ち付けてけがをさせたらしい。
 この辺までは、新聞や、テレビで事実を確認しているので、間違いはないとの事。

 ときどき、何の関係もない、パレード写真を掲げて、パノラマ方式に話を進めたい。

 

人種差別に悩む国ーアメリカ

 黒人の少年にケガをさせられた白人の自警団員は、なお襲いかかる少年を拳銃で射殺してしまった。
 後ほど、この白人の男性は述懐し、それは正当防衛であったと主張した。

 そこから、延々と裁判が続き、いよいよ陪審員の判決である。
 ぼくは、法律にはめっぽう疎くて、言葉さえ分からないことがある。
 陪審員もなんだか分からないが、要するに、一般の住民が裁判官になって、事を裁く事なのである。
 最近では、日本も陪審員制度で裁判をやるケースがあると聞く。
 一般の住民と言っても、ぼくみたいに法律に疎い人もいるでしょう。
 尚且つ、日本と違って、アメリカはいろんな人種が混じった社会である。
 素人が判決を下す時に、何時も自分と同じ人種が有利になるように判決するらしい。
 それは当然であろう。ぼくだって判決を下せと仰せられたら、日本人が被告人なら、その人に有利になるようにするかも知れないのだ。

 人種差別に悩む国ーアメリカ

 普通、陪審員は11名で成りたっているらしい。
 有罪か、無罪かを決めるのに5対5では、「有罪であり、無罪である」、のは困るのである。

 今回の判決は6名の陪審員が「正当防衛に付、無罪」との判決を下した。
 いわゆる、多数決で無罪になったのである。
 アメリカ社会を震撼させた幕開けである。

 アメリカには、「AFFIRMATIVE ACTIONS」、と、いうのがある。
 日本語に無理に訳すると、「人種差別撤廃措置」、とでもいえるのか。
 要するに、「法の下の平等であるべき」、措置である。

 具体的に説明すると、
 大会社が、社員を雇う時、一般的に入社試験を行い、優秀な人を雇うのが当たり前である。
 ところが、アメリカで入社試験で、優秀な人間を雇うとなると、黒人の志願者はほとんど合格しないで、落ちてしまう。
 なぜか、
 黒人の大多数は、高等教育を受けていないからに他ならない。
 これは僕の想像ではない。
 アメリカの教育制度は、高校までは実質義務教育である。
 ところが、高校に入学した黒人の学生の半分以上が、途中で挫折して、いわゆる「ドロップアウト」するのである。
 と、いうことは、黒人の半分以上が、「現代版、文盲」と、なるのです。

 人種差別に悩む国ーアメリカ

 高校ですでに、ふるいにかけられた若者は、当然大学には入学出来ない。

 そうそう、「AFFIRMATIVE ACTIONS」の話であった。
 このような制度があるから、大会社も入社する社員の15パーセントは黒人を雇わなければならない。
 なんで15パーセントなのかと言うと、アメリカ人口の15パーセントが黒人だからである。
 もし、成績が悪く、5パーセントの黒人だけ雇うとなると、大問題が発生する。
 それこそ、「人種差別だ、白人至上主義だ」、黒人全体が大暴動を起こしかねない。

 黒人は優遇されているのである。この「AFFIRMATIVE ACTIONS」の為に。

 陪審員を選ぶ際にも、この制度は生きている。
 11名の陪審員の中に、少なくとも3名程度の黒人が混ざっていなければならない。

 今回の判決で、6名の陪審員が「無罪」と判決したのだが、その中の5名が白人の女性だとの事。

 これがまた、大問題を起こすきっかけになった。

 大体、裁判の判決と言うのは、「正しい判決なのか、そうでないのか」は分からない。
 何故なら、陪審員は殺人現場にはいなかったのである。
 「正当防衛なのか」は、現場に居なければ分からないのである。
 真の判決を下せるのは、殺人した白人か、殺された黒人少年か、あるいは神様しか分からない。

 ぼくを含めて、その他の人たちは、話を聞いて想像で判決しなければならないのである。
 そこに裁判の難しさがある。
 アメリカの黒人全体が、自分の主観で判決の不当性を喚いているのである。
 白人もしかり、
 自警団員が「正当防衛」を、主張するから、それが正しいのだと判断する。

 余談になるが、上のスナップは「ベンジャミン フランクリン」である。
 1776年にアメリカ独立の際に、彼曰く。
 「節制  飽くほど食うなかれ、酔うほど飲むなかれ」
 「沈黙  自他に益なきことを語るなかれ、駄弁を弄することなかれ」

 しかし、節制で「あまり食うな」、と、言いながら自分はデッカイ太鼓腹を抱えているのは、おかしくないか。
 上の写真はあまり太鼓腹にはなっていないが、アメリカ・ドルの100ドル紙幣、フランクリンの太鼓腹は、とつに有名である。

 紙面が無くなった。
 次回に、このアメリカの「AFFIRMATIVE ACTIONS」の矛盾点を指摘しつつ、もっと事件を掘り下げて見てみたい。

 尚、新聞、テレビの報道されている事実以外の文面はぼくの責任範囲であります。



Posted by 定雄 at 01:29│Comments(2)
この記事へのコメント
この事件についてはニューヨークタイムズ電子版で読みました。オバマも大変心を痛めて暴動を鎮静化するために懸命になっているということですね。白人のGeorge Zimmermanが黒人のTrayvon Martinを銃殺、陪審員11名中6名(5名白人、1名ラテン・アメリカ系)が正当防衛を認めて無罪判決に導いたということですが、この判決は果たして正しいのか、はなはだ疑問です。この事件を人種差別の観点から見るのか、それとも個人の判断(行動)ミスとみるのか、見る角度によっても解釈が自ずと違ってくると思います。難しい問題ですね。私もこの事件の顛末に大変興味をもっているので、いろいろとご教示ください。

 また、アメリカ独立記念のパレードの写真の数々、ありがとうございました。学生時代を思い出しました。
Posted by 椰子の実 at 2013年07月17日 15:42
椰子の実さん、

 コメント有難うございます。
 ロスでは、暴動が起きつつあります。
 現在は、黒人全体が、完全に感情的になり、冷静さが欠けているようです。

 もし、立場が逆、つまり殺された少年が白人で、射殺したのが黒人だったとすると、これほどの騒ぎはなかっただろうと言われております。

 と、なると、根底にあるのは人種差別に他なりません。

 アメリカ政府の司法省が乗り出す可能性も指摘されております。

 仰せの通り、難しい問題です。外野席で見つめるしかありません。

 しかし、おかしな話です。シカゴでは、毎日黒人の若者が麻薬闘争でお互いに殺し合っているのに、新聞にも載りません。

 ハルサ―。
Posted by 定雄定雄 at 2013年07月17日 17:59
 
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